ISC2資格のCPE獲得のすゝめ
Hi, there.
本日は、筆者がおすすめするISC2資格のCPE獲得方法についてお話します。
――維持のためだけでなく、実力にもつながるCPEの積み上げ方
ISC2資格を取得したあと、次に気になってくるのがCPEの獲得ではないでしょうか。せっかく資格を取っても、維持のために必要なCPEが思うように集まらず、少しずつ負担に感じてしまうことがあります。
しかし実際には、CPEは「特別なこと」をしなければ貯まらないものではありません。日々の学習、ちょっとした隙間時間、業界イベントへの参加などを上手く重ねていくだけでも、無理なく積み上げていくことができます。むしろ、実力を伸ばしながら自然に貯まっていく、という感覚のほうが近いかもしれません。
本記事では、筆者が実際に取り組んできたCPEの貯め方をもとに、ISC2資格のCPE獲得の考え方をご紹介します。
実力を身につけつつCPEを稼ぐ
Hack The Box(HTB)
まず、実力養成とCPE獲得を両立しやすいものとして挙げたいのが、Hack The Boxです。
ラボの難易度によって獲得できるポイントにはばらつきがあるようで、正確には断言しづらいものの、体感としては1マシンあたり2~8ポイント程度という印象です。筆者は課金ユーザーで、挑戦回数の制限をあまり気にせず進められる環境だったこともあり、HTBだけで1年もかからず130ポイント近く貯まってしまいました。
もちろん、ただポイントが増えるだけではありません。手を動かして学ぶ形式である以上、脆弱性の見方や攻撃手法、調査の勘所が自然と身についていきます。CPEを稼ぐという目的で始めたとしても、最終的には業務に返ってくる学びが非常に大きいと感じています。
「CPEのために何かをやる」というより、実力を磨いた結果としてCPEもついてくる。HTBは、その感覚を得やすい方法の一つです。
隙間時間を利用してCPEを稼ぐ
ISC2メンバーサイトの ISC2 Insights Quiz
まとまった時間が取りにくい方におすすめなのが、ISC2メンバーサイトで提供されているISC2 Insights Quizです。これは1回あたり2ポイントで、年6回ほど実施されるため、3年で36ポイントになります。1回あたりの負担は軽く、隙間時間に取り組みやすいのが魅力です。
CPE集めというと、つい大きなイベントや長時間の学習を想像しがちですが、こうした小さな積み重ねも侮れません。むしろ、継続性という意味では、こうした仕組みのほうが安定しているとも言えます。忙しい時期ほど、「短時間で確実に取れるもの」を把握しておくことが、後々効いてきます。
人脈を築きながらCPEを稼ぐ
ISC2 Japan Chapter、ISC2 Secure Japan
人とのつながりを広げつつCPEを得たいのであれば、コミュニティイベントやカンファレンスも有力です。
たとえば、ジャパンチャプターイベントでは、1回あたり1ポイント前後、年間でも数回参加の機会があります。また、セキュアジャパンのようなイベントでは、1回で8ポイント前後得られることもあります。
こうした場の価値は、単なるCPE獲得にとどまりません。同じ資格保持者や、異なる分野で活躍するセキュリティ実務者と接点を持てるため、自分の視野が広がります。普段の業務では得られない知見や、現場での悩み、業界の空気感に触れられるのは大きな財産です。
CPEを集める作業は、ともすると「消化すべきノルマ」になりがちです。ですが、こうしたイベント参加は、その時間自体が十分に価値を持つため、心理的な負担が少ない方法でもあります。
新たな知見を得ながらCPEを稼ぐ
無料セミナーへの参加や他資格の取得
日々開催されている無料セミナーも、非常に使い勝手の良いCPE源です。規模や内容にもよりますが、1回あたり1~3ポイント程度を見込めることが多く、参加した分だけ着実に積み上がります。
無料とはいえ、製品動向、法規制、脅威動向、インシデント対応など、業務に直結するテーマが扱われることも少なくありません。自分の担当領域に近いものを選べば、CPE獲得と情報収集を同時に進められます。
また、他の資格取得も有力な選択肢です。内容にもよりますが、1回で24~40ポイント程度になることがあり、まとまったCPEを獲得できます。
セキュリティ業界に身を置いていると、ISC2以外の資格に挑戦したくなる場面も少なくないでしょう。新しい資格の学習を通じて知識の幅を広げ、その成果をCPEにもつなげられるのは非常に合理的です。
おわりに
CPEというと、どうしても「維持のために集めなければならないもの」と考えがちです。ですが実際には、見方を少し変えるだけで、CPEは自己研鑽の記録にもなります。
HTBで手を動かして実力を伸ばす。Insights Quizで隙間時間を活かす。イベントで人脈を広げる。セミナーや他資格で新しい知見を吸収する。
こうして見ていくと、CPE獲得は決して面倒な義務ではなく、自分を少しずつ前へ進めるための仕組みとして活用できます。
ISC2資格を持っている方、あるいはこれから取得しようとしている方は、ぜひ「CPEを貯める」のではなく、学びの結果としてCPEが貯まる流れを意識してみてください。そのほうが、資格維持もずっと自然で、長続きしやすいはずです。
余談:ISC2資格を複数持つことの維持しやすさ
ISC2資格の良いところは、CPEを複数資格で共有できる点にあります。そのため、資格数が増えても維持の負担が爆発的に増えるわけではありません。
さらに、年会費も資格ごとではなく、何個持っていても1回のAMFで済むため、維持コストの面でも比較的扱いやすい印象があります。
もちろん、自分のキャリアに必要な資格を選ぶことが前提ではありますが、純粋に維持のしやすさや費用対効果という観点で見ると、いろいろな団体の資格に分散するよりも、ISC2で固めたほうがお得感があると感じています。


